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メキシコガストロノミー (グルメ事情)の今

シェフにとって一番の楽しみが、どこに行っても食事です。

2年前に行った経験から、
実はあまり期待していなかったというのが本音ですが、
その2年前と比べて劇的にレベルが高くなっていました。
エルブリのアルベルトとその話をすると、
「年年じゃないよ、日に日にだ。」と彼もその勢いを肌で感じている様子でした。

今回は、行く前は
「食事はついてないから、自分たちでやってください」
と言われていたのでがっかりしていたのですが、
蓋を開けてみたら、毎食、色んなシェフや関係者の方々に
全てお世話になってご満悦での帰国となりました。

ラッキーなことに有名店や人気店へは、大体行けたのではないでしょうか。
今の流行のお店やトップ50にノミネートされているレストランは、
例えるなら、東京のモダンフレンチのような感じと全く変わりません。

何が違うか、何がメキシコ料理というのか?
何軒か食べ歩いているうちに、共通している素材があることに気づきました。
日本料理でいう、醤油、味噌、ポン酢のような存在。
多く使われている副素材トップ3は、
ハラペーニョ
レモン(ライム)
コリアンダー(スプラウト)

でした。
これらを各お皿に味のポイントとして使っていく事と、
ご存知の、タコス、トルティーヤを上品に1皿、2皿コースに加えて、
今のモダンメキシカンが出来上がりのような印象です。

そして、高級店に行け行くほど、提供されるのが、虫や昆虫を使った料理です。
2回目のメキシコですが、
これなしにはメキシコ料理は語れないというような存在で必ず目にします。

メキシコガストロノミー(グルメ事情)の今

同行した石井シェフは、イモムシは無理だったみたいです。
味は特にないのですが、少しだけ独特の香りがあることに気づきました。
気になるといやかも知れませんが、文化的には、昔の貴重な蛋白源なのでしょう。
まあ、個人的には高級食材としてどうしても必要だとは思えないですけれど(笑)。

メキシコガストロノミー(グルメ事情)の今

大アリの卵は、日本の蜂の子とほぼ同じで、
クリーミーなチーズのソースのような味です。

今回見つけた新しい食材は、牛の骨髄。
流行なのか、大体の高級店で出てきました。
フレンチでも使いますが、
薪割りのように縦に切ってあって中身をすくって、タコスに包んで食べます。
味はあまりなく、フォアグラのような、
ゼラチンと油脂の中間のような食感で、とてもリッチです。

メキシコガストロノミー(グルメ事情)の今

結論をいうと、どれも「あー、美味しい!」というわけではなく(苦笑)、
自分でライムやサルサで味をつけ、
辛味の刺激でビールやテキーラを楽しむ・・・というのが、メキシカンかな。

個人的には、辛いものも好きなせいか、
一番はまったのが、ハバネロとハラペーニョで、辛いけど、食が進む。
口の中がずっと痛いという感じではなくて、
すっと引く、キレの良い‘旨辛’の虜になってしまいました。
お腹はおかげでいつも痛くて、
便秘に悩まされることなしに旅行期間中を過ごせました!

メキシコガストロノミー(グルメ事情)の今

帰ってきてまず、築地で生ハラペーニョを買い、
トマトサルサを作って、新しいメニューに使っています。
その辛いハラペーニョをよけるお客様もいれば、
おかわりがほしい!という方もいて、
この夏、メキシコでの思い出をうまく料理で表現していきたいと思ってます。