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学会てんやわんやの巻

学会てんやわんやの巻

学会を終えて帰ってきました。
ちょうど出発前が多忙を極め、お得意の体が悲鳴をあげ、
成田の前に病院へ駆け込むというバッドコンディションでの出発でした。
個人的な話ですが、おそらくストレスや緊張で、
手首が痛くて動かなくなる(箸や包丁が握れない)、ひざに水がたまる、などなど、
さまざまな原因不明の持病を持っていて、料理人にとっては非常に辛い。
そのことが最近多くて、困っています。

話はそれましたが、今回は
語学堪能なうちのマダムが同行しない初めての学会参加で、
その代わり、僕の親友、
札幌のレストラン『ル・ミュゼ』石井シェフに同行を願いました。
彼は、多忙にもかかわらずひとつ返事で答えてくれて、
しかも「飛行機の席は床でもいい!」とまで言ってくれた
熱き男(見た目とは裏腹に 笑)です。(感涙)
そして、名カメラマンぶりを発揮してもらいました。
料理の腕とカメラの腕は、一流の腕前です。
ぜひ、ミュゼHPの料理写真を見てください。

ちなみに、石井シェフを誘った大きな理由は、多くのことに共感できるからです。
どんなメンバーが学会に呼ばれているのか?
メキシコ料理のよさって何だろう?文化は?
そんなことをちゃんと考えてそして吸収し、1週間を過ごすのが彼です。
そんな石井シェフとは10月に札幌でフェアを開催します。(詳しくはまた後日)
メキシコのエッセンスを少し加えての面白いフェアになると思います。

さて。そんな男ふたり旅inメキシコが23日から1週間始まりました。
現地に着くも約束していた通訳の方は来ず、
いきなり学会初日の発表を迎えることに。。。
今までのスペイン学会ではいつも、通訳に慣れていて、
かつガストロノミーの知識が豊富な純子さんとの事前打ち合わせ、
入念な打ち合わせがあった上で発表してきました。

が、さすがメキシコ。ラテンの国。
アリバ、メヒコ!(ここまでくると笑うしかない)
僕の発表2時間前(!)に、通訳経験のないような素人さんの登場です。
メキシコ在住の日本人女性なのですが、、、
しらす?ほたて?いわしお?(注意:岩塩のことです)て、何ですか???
と、全く話が通じない。

あ、終わった。 完璧間に合わない。

このイライラをぶつけるところもなく、テキーラを一杯。そして、もう一杯。
あっという間に初日の発表の時間、その日の【とり】の時間がやってきました。
30分のプレゼン時間しかなく、時間もかなりきっちりやっていて、
そこだけは何故か日本的(苦笑)。
何がなんだかわからないくらいのばたばたした、
てんやわんや状況でいきなり舞台に立たされ、拍手喝采。
日本で、練りに練り上げ作った渾身のDVDだけが頼りの綱。

学会てんやわんやの巻

さあ。まず、今回のテーマは、生きとし生けるもの~活け締め~です。
食材には『すっぽん』を選びました。
お店のコースの一品としてお出ししている【TAKAZAWA GOLD】を軸にしました。
これは栄養ドリンクの‘リアルゴールド’をもじって、
楽しく、でも美味しく『すっぽん』を食べる一品で、
あまり慣れていない海外のお客様にも好評をいただいている新作です。
その『すっぽん」。生きているところから首を切り、
血を集め、それを飲む。など、聞くだけでも引く感じがすると思いますが、
そこをコミカルな映像にしつつ、
精神的な語りを入れて、感動を誘うのが、僕の30分の構成です。

学会てんやわんやの巻

しかし、僕が話しても、ちょろっと訳す。
さらに話しても、ちょろっと。。。の通訳具合に会場からは笑いが。
そんな通訳で、実際は言いたいことは
あまり言葉では伝えることができなかったというのが、
今回の悔しいところでした。でも、ユーモアをいれた映像と、演出で、
結果的には大成功に終えることが出来たようです。
それ以降、また前回のメキシコ学会同様、
ハリウッドスターのような大人気物になりました!

今回の発表の落ちですが、生き血を飲んで、ラテン男に変身するというところで、
実際舞台の上で、コックコートの前ボタンをブチブチっと開け、
アントニオバンデラス並みの「付け胸毛」をバァーンと出すという、
聞けば料理と全く関係ないくだらない仕掛けですが、これが大爆笑!
ばっちりラテンのハートをつかむことが出来ました。
ハンズでこんな仕込みをするのも世界戦で戦うには必要なんです(笑)。

学会てんやわんやの巻

公演終了後、雑誌やテレビの取材を多数こなしましたが、
誰も胸毛の件には触れず、
あとからくる筋肉痛のように少し恥ずかしくなってきました。
チャン、チャン。