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2011年を振り返ってA

2012.02.09

2011年を振り返ってA


2011年を振り返ってA

はまったもの。

10月から12月にシーズンを迎える上海蟹。
普段お店では、なかなか使わない食材です。
以前も食べた事はありますが、衝撃的に感動した事などは無いので、大好きな食べ物!というわけではなかったのが事実です。
でも、2011年に【はまった】のは、その上海蟹です!
衝撃的で圧倒的な旨さに、うなってしまう、余韻という時間をずっと感じていたくなる『真の上海蟹の旨さ』にはまりました!
そんな世界を教えてくれたのは、新宿の名店・鳥茂の酒巻氏。
お互いに店を行き来し、プライベートでも飲み食いする、僕にとって本当に大切な仲間です。
お店づくりや飲食に対する信念・姿勢にも共感していて、鳥茂には何度通っても、いつも色々なことを勉強させてもらっています。

僕は、今まで上海蟹は酔っぱらいガニのねっとりとした黒い卵巣部分とオレンジ色の卵を紹興酒と、ちびちびいただくのが好きでした。
一方、酒巻氏は、蒸した雄蟹。
食べる場所は、きまって深夜の中国飯店(六本木)。
そこに一緒に食べにいったのは2011年の10月。
上海蟹解禁の月。
雄、雌の違いがどうかも、蒸し蟹自体も初めての経験。
蒸したての熱々が、手早く目の前でさばかれ、目の前へ。
まず思うのが、ちっちゃいなぁ!でしたが(笑)、
ひとすくい、雄の白子部分を口に運ぶと!
「なんだ、この口の中を絡み付くねっとりとした食感は!」
その濃厚な余韻は、長く、長く続き、今まで食べていたあの身は、一体何だったのだと衝撃と感動がはしり、 一瞬で【はまって】しまいました。

それ以来、酒巻氏とは上海蟹一人7杯(!)を様々な調理方法で食す特別な上海蟹フルコースを食べにいき、時間をみつけては、中国飯店に行って、 毎回『上海蟹の雄をお願いします!』と、一体何杯食べたのか数えきれないほど2011年は一気に食べました(笑)。
はまったのをきっかけに、色々お店を変えて食べてもみましたが、中国飯店六本木を超える店は無いように思えます。
毎回、甲羅の上にこんもりと盛られた白子。
他の店では入ってない事すらありました(涙)。
お客様の期待を決して裏切る事が無いように、と心をこめての蟹選びは本当に素晴らしく、蟹の品質も、自社の別ルートで空輸しているそうで、 その時々で産地をかえたりして常に1番いい品質の物を仕入れているそうです。
現地で食べるより中国飯店の方がうまい!とよく聞くのですが、それにはそういった理由があった訳です。
すごく贅沢な話ですが、いちど是非味わって頂きたい食材です。
僕にとっての2011年NO.1食材、上海蟹。
酒巻氏には感謝の、2011年‘食はまり’発見でした。